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ピラティスとヨガの違いを徹底解説!併用すると得られる効果も紹介
公開日2025.9.5
一般的に、ピラティスとヨガは似ているように見えますが、実は根本的に異なる点が大きく3つあります。
1つ目は「成り立ちと目的の違い」、2つ目は「体の動かし方やフォーカスするポイント」、3つ目は「呼吸法や心への働きかけ」。
それぞれに異なる特徴があり、自分の目的にあわせて選ぶことで、より効果的な結果が期待できます。詳しくは以下で解説していきます。
index
- ピラティスとヨガの違いは大きく分けて3つ
- ピラティスとヨガの成り立ちから読み解く目的の違い
- ピラティスは体幹強化と姿勢改善が目的
- ヨガは、心の安定や集中力の向上に重点を置いている
- ピラティスとヨガは呼吸法が異なり、効果にも違いが表れる
- ピラティスは、「胸式呼吸」を用いる
- ヨガは、「腹式呼吸」を用いる
- 「動き」の違いによる、身体に現れる効果が変わる
- ピラティスは、身体を動かす正しいフォームが重要
- ヨガは、静止姿勢のポーズが重要
- ピラティスとヨガは低負荷エクササイズとしての共通点もある
- 身体のゆがみが整い、姿勢改善に繋がる
- 新陳代謝の向上
- 心身共に整い、良い生活リズムが生まれる
- より効果的なのは、ピラティスとヨガどちらなのか?
- ピラティスおこなうのに適している人
- ヨガをおこなうのに適している人
- まとめ
ピラティスとヨガの違いは大きく分けて3つ

① 成り立ち(ルーツ)や目的の違い
② 呼吸法の違いとその効果
③ 動き方やフォームの違い
それぞれの特徴を知ることで、自分に合った方法を選ぶヒントになります。次から詳しく見ていきましょう。
ピラティスとヨガの成り立ちから読み解く目的の違い
ピラティスとヨガの違いを理解するうえで、「いつ・どこで・なぜ生まれたか」はとても興味深いポイントですね。
ピラティスは20世紀初頭、ドイツ人ジョセフ・ピラティスが虚弱体質の克服をめざし、リハビリや体力回復のために考案したエクササイズです。その後、アメリカに渡り、ダンサーの間で広まり、身体の機能改善や姿勢調整にも活用されるようになりました。
一方ヨガは、約4500年前の古代インドで誕生した、心と体、精神を統合する修行法。もともとは身体の健康よりも精神の安定を重視しており、心のケアにも効果的とされています。アメリカに広まる過程で宗教的要素は弱まりましたが、自分と向きあうという精神的な本質は今も受け継がれています。
ピラティスは体幹強化と姿勢改善が目的
ピラティスは、身体の深層部にある「インナーマッスル」を鍛えることを目的としたエクササイズです。
特に胴体の体幹部分を中心に、内側から身体を支える力を養うことで、姿勢の改善やゆがみの調整に役立ちます。誤解されがちですが、ピラティスをしても“シックスパック”はできません。シックスパックが腹直筋というアウターマッスルを鍛えて得られるものであり、ピラティスではその奥にあるインナーをターゲットにしているためです。内側から安定した身体がつくられることで、日常動作がスムーズになり、柔軟性も向上。しなやかでバランスのとれた身体づくりが可能です。

ヨガは、心の安定や集中力の向上に重点を置いている
ヨガでは、ポーズと呼吸を組み合わせておこなうことで副交感神経が優位になります。
その主な理由は、腹式呼吸による自律神経への働きかけです。深くゆっくりとした呼吸は、迷走神経を通じてリラックス状態を促し、心拍や血圧を落ち着かせます。また、筋肉をやさしく伸ばすヨガの動きは、身体の緊張をやわらげ、不安やストレスを軽減する効果があります。さらに、呼吸や身体の感覚に意識を向けることで、マインドフルネス状態になりやすくなり副交感神経の働きが自然に高まっていきます。現代では、宗教的な背景が取り除かれたスタイルが主流となり、心と身体を整えるセルフケアとして幅広く採り入れられています。

ピラティスとヨガは呼吸法が異なり、効果にも違いが表れる
ピラティスとヨガは、どちらも呼吸を重視するエクササイズですが、その呼吸法には明確な違いがあります。ピラティスでは「胸式呼吸」を使い、肋骨を広げながら呼吸することで体幹を安定させ、集中力や動作の質を高めます。一方ヨガでは「腹式呼吸」を用い、お腹を大きく動かしながら呼吸することで副交感神経が優位になり、リラックスや心の安定をもたらします。 呼吸は自律神経と深く関わっており、呼吸の仕方ひとつで心身の状態が大きく変化します。だからこそ、ピラティスとヨガでは目的に応じた呼吸法を採り入れ、心と体のバランスを整えるのです。次に、それぞれの呼吸法の特徴と効果について詳しく解説していきましょう。
ピラティスは、「胸式呼吸」を用いる
ピラティスでは「胸式呼吸」が基本となります。胸式呼吸とは、胸まわりの肋骨を前後・左右・上下に広げるように息を吸い、吐くときに肋骨をしぼめるようにおこなう呼吸法です。この呼吸によってお腹を引き締めたまま呼吸できるため、体幹(コア)を安定させた状態でエクササイズをおこなうことができます。胸式呼吸は交感神経を刺激し、集中力を高める作用もあります。ピラティスでは、鼻から吸って口から吐くスタイルが一般的で、動きと呼吸を連動させて動いていきます。
ヨガは、「腹式呼吸」を用いる
ヨガでは、主に「腹式呼吸」が用いられます。腹式呼吸とは、息を吸うときに横隔膜が下がり、お腹が自然に膨らみ、吐くときにお腹がへこむという呼吸法です。この呼吸は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があります。ヨガの多くのポーズは、このゆったりとした呼吸と組み合わせることで、より深いリラックスや内面への集中を促します。また、呼吸に意識を向けることで思考が静まり、瞑想やマインドフルネスの状態に入りやすくなります。
「動き」の違いによる、身体に現れる効果が変わる

ピラティスとヨガでは、動きのスタイルに大きな違いがあります。ピラティスはフォームに注意を向けながら、体を滑らかに動かして筋肉に働きかけていくのが特徴です。これにより、体幹の安定や筋力アップを目指します。一方ヨガは、1つのポーズを一定時間保ちながら、呼吸や内面に意識を向けて心身を整えていきます。動き方の違いは、身体に現れる効果の質にも関係しています。次にそれぞれの動きがもたらす効果について見ていきましょう。
ピラティスは、身体を動かす正しいフォームが重要
ピラティスでは、身体の動かし方やフォームを丁寧に扱うことで、体幹を中心としたインナーマッスルを効率よく鍛えることができます。特に「マシンピラティス」では、スプリング(バネ)やストラップなどの補助が加わることで、身体のアウターマッスル(表層筋)に過剰な力みが入らず、必要な部位だけを選んで使う感覚が養われます。
言い換えれば、アウターの筋肉はマシンに「預け」、本来使いたいインナーに集中してアプローチすることができるのです。こうした繊細で精密な動作を通じて、姿勢や動作の質が高まり、日常の動きにも安定感が生まれます。この“動きながら整える”という考え方が、ヨガとの大きな違いのひとつです。
ヨガは、静止姿勢のポーズが重要
ヨガでは、ポーズ(アーサナ)を一定時間保つことが重要な要素とされています。身体を静止させながら呼吸に意識を向けることで、筋肉の緊張がゆるみ、心も落ち着いていきます。この“止まる”という行為には、自分の内面に集中するための時間が含まれており、心身のバランスを整える役割を果たします。
ポーズそのものには柔軟性や筋力を高める効果があり、日常生活では使いにくい筋肉にもアプローチできます。流派によっては動きを重視するスタイルもありますが、基本的には静止した状態の中で自分の感覚を深めるのがヨガの大きな特徴です。動き続けるピラティスとは異なり、ヨガでは「とどまる」ことから生まれる気づきが大切にされています。
ピラティスとヨガは低負荷エクササイズとしての共通点もある

ヨガも筋力や柔軟性を高めることで、左右差のある動きや体の癖を整え、姿勢を整えてくれます。
どちらも継続することで、姿勢が改善され、見た目の印象が良くなるだけでなく、肩こりや腰痛の予防など、日常生活にも多くのプラスの変化が現れます。
身体のゆがみが整い、姿勢改善に繋がる
身体のゆがみを整えることは、姿勢の改善だけでなく、肩こりや腰痛の予防、疲れにくさにも繋がります。私たちの身体は左右対称ではなく、ほとんどの人に何らかのゆがみがあります。
日常のクセが積み重なると不調の原因になることもあるので、ピラティスやヨガを継続することにより、無理なくバランスを整え、快適な身体づくりが目指せます。
新陳代謝の向上
ピラティスやヨガを継続することで、呼吸が深くなり、筋肉がしなやかに動くようになるので、血流やリンパの流れが促進されます。特に深い呼吸は横隔膜の上下運動を生み出し、内臓をやさしく刺激して新陳代謝を高める効果があります。代謝が上がることで、冷えやむくみの改善、疲労回復が早まるなど、日常生活での体調管理がしやすくなるのも魅力です。
心身共に整い、良い生活リズムが生まれる
ヨガもピラティスも、単に筋力や柔軟性を高めるためのエクササイズではありません。呼吸や身体感覚を深めながら、心と体のバランスを整えることを目的としています。深い呼吸と、"指先まで意識を巡らせる"丁寧な動きは、自律神経を整え、ストレスの軽減や睡眠の質の向上にもつながります。
生活の一部に、自分と静かに向きあう時間を持つと、生活リズムの改善にも効果的、ポジティブな日常をもたらしてくれるでしょう。
より効果的なのは、ピラティスとヨガどちらなのか?

一般的には、体幹を鍛えたい・姿勢を整えたい方にはピラティス、リラックスや心の安定を求める方にはヨガが向いていると言われていますが、どちらを選んでも大切なのは“続けること”。エクササイズは、継続してこそ効果を感じるものです。無理なく楽しく続けられるスタイルを見つけることが、心と体を整える一番の近道です。
ピラティスに向いている人
ピラティスは、体幹を鍛えたい方、姿勢を整えたい方、腰痛や肩こりを改善したい方におすすめです。インナーマッスルを強化し、身体のバランスや安定性を高めることで、日常動作がスムーズになり、ケガの予防にもつながります。マシンピラティスなら初心者でも無理なく始められるので、運動不足を感じている方にもおすすめです。
ヨガに向いている人
ヨガは、心と身体のバランスを整えたい方や、リラックスした時間を持ちたい方におすすめ。深い呼吸と静かな動きで、自律神経を整え、ストレスの軽減や睡眠の質の向上にもつながります。運動が苦手な方でも始めやすく、柔軟性を高めたい方、呼吸法や瞑想に興味がある方にもおすすめ。忙しい日常の中で、心を落ち着ける時間を持ちたい人にはぴったりのセルフケアです。
まとめ

どちらが効果的かはあなたの目的次第。大切なのは“自分に合った(自分が好きな)方法を無理なく続ける”こと。
まずは体験して、自分の体調や気分に合ったものを見つけてみましょう。継続することで、きっと心も体も前向きに変化していきます。
この記事を書いたのは…
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Writer
奥畑 奈美
ピラティスコンプリヘンシブ資格/はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師師国家資格保有。
株式会社ZENPLACE、年間300本の講座を運営するアカデミー事業部にて、ピラティスやヨガ、ボディワークに関するセミナーの企画、運営に携わり多くの講師・インストラクターと交流。 ピラティスとwell-beingの普及に尽力、専門誌にも寄稿。幅広い知識で多方面から最新の健康情報を発信し続けています。
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