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骨盤底筋を鍛えるピラティスの効果とは?ゆるみの原因とエクササイズを解説

公開日2025.10.10

骨盤底筋は、骨盤の底にあり内臓を下から支えるハンモック状の筋肉群です。排泄をコントロールし、体幹の安定にも関わる重要な存在ですが、加齢や出産、姿勢の崩れなどでゆるみやすく、ぽっこりお腹や尿もれの原因にもなります。
ピラティスは、この骨盤底筋を安全かつ効果的に鍛えるのに適したメソッド。
この記事では、基礎知識から初心者向けエクササイズ、注意点まで、わかりやすく紹介します。

骨盤底筋とは?役割と体への影響を知ろう

骨盤底筋は、骨盤の底で内臓を支え、排泄や姿勢の安定にも関わる重要な筋肉群。
普段は意識しづらい部位ですが、衰えると尿漏れや体型の崩れ、体調不良の一因にもなります。まずは役割を理解し、なぜ今こそ鍛えるべきかを確認しましょう。

骨盤底筋の構造と機能

女性の骨盤底筋の解剖図

骨盤底筋(こつばんていきん)は、骨盤の最下部にハンモック状に広がる筋肉群で、膀胱・子宮・直腸などの内臓を下から優しく支える役割を担っています。
排泄機能の調整や姿勢保持に関与するほか、「インナーユニット ( 横隔膜・腹横筋・多裂筋 ) 」とともに体幹をしっかりと支え、脊柱と骨盤を安定させます。

骨盤底筋が弱まる原因とは?

妊娠・出産に伴う伸張、加齢による筋力低下、長時間の座位や不良姿勢、重い物の反復挙上、慢性的な便秘や咳による高い腹圧などが代表的要因です。
骨盤底筋が緩むと、尿もれ・頻尿、骨盤不安定性による姿勢崩れ、おなか周りのたるみなどのリスクが高まります。

骨盤底筋を鍛えるメリットとは?日常にうれしい4つの効果

マットピラティスをするピラティスインストラクター
骨盤底筋を鍛えることは、見た目の変化だけでなく、健康にもさまざまなメリットがあります。
たとえば、下腹の引き締め、尿もれや頻尿の予防・改善、血流促進による冷えや生理痛の軽減、姿勢の安定など。毎日の習慣として取り入れることで、日常の快適さがぐっと高まります。

ぽっこりお腹の改善

ぽっこりお腹の原因のひとつに、内臓を支える骨盤底筋の衰えがあります。
骨盤底筋が弱まると内臓が正しい位置に保てず、下腹がぽっこりと出て見える「内臓下垂」状態に。
また、骨盤底筋は腹横筋などのインナーマッスルとも連動して働いているため、ここを鍛えることでお腹の深層部から支えが生まれ、下腹が自然と引き締まっていきます。腹筋だけでなく骨盤底筋も一緒に意識してトレーニングしましょう。

尿もれや頻尿の予防・改善

排泄コントロールに関与する骨盤底筋が適切に収縮・弛緩できると、くしゃみ・咳・ジャンプなど腹圧が高まる場面でも、尿漏れリスクを軽減できます。
呼吸と同調させた段階的なトレーニング(弱→中→強収縮)で、日常動作に近い状況でのコントロール力を養いましょう。

血流改善・冷え・生理痛の軽減

ピラティスのような、骨盤周囲の筋活動と呼吸に同期したリズミカルな収縮は、骨盤内の循環を促します。
下肢・骨盤帯の血流改善は、冷えの緩和や月経随伴症状の軽減に寄与することがあり、むくみ対策にも有効です。無理のない可動域で継続することがポイントです。

姿勢改善と体幹の安定

骨盤底筋はインナーユニットの一角として、体幹の安定化に関与します。
骨盤底筋が機能的に働くと、腰椎骨盤帯の支持性が高まり、立位・歩行・持ち上げ動作などでの負担分散がスムーズに。
結果として良い姿勢を保てるようになり、過緊張の肩・腰の負担軽減にもつながります。

ピラティスで骨盤底筋を鍛えるには?初心者でもできるトレーニング法

ピラティスでは、呼吸・姿勢・コアの三位一体で骨盤底筋を活性化します。
どこでもできるマットピラティスの基本エクササイズに加え、リフォーマーなどのマシンピラティスを取り入れると、より安全で効果的に学べます。
マシンピラティスをするピラティスインストラクター

ラテラル呼吸で骨盤底筋を活性化

胸式ラテラル呼吸で肋骨を横・背側へ拡張させ、吐く時に骨盤底筋を下から引き上げる意識を合わせます。
手順の目安:
・吸う息:肋骨を横・背中へ拡げ、肩はリラックス。
・吐く息:会陰部を内上方へそっと引き上げる感覚で、下腹部~腹横筋の引き入れを添える。
・強く締めすぎず、息を止めないのがコツ。

マシンピラティスを取り入れるメリット

リフォーマーのスプリング抵抗は、動きを補助しつつ過剰な代償動作(反り腰・腹圧のかけすぎなど)を抑制してくれます。
・負荷の微調整で安全性と再現性が高い
・骨盤の位置や脊柱アライメントをフィードバックしやすい
・呼吸と骨盤底筋の同調を、テンポや可動域で段階的に学習できる
初心者や産後の回復期、体力に自信がない方にもおすすめです。

おすすめエクササイズ

マットピラティス:ペルビックカール

マットピラティスをする女性
リフォーマー:レッグサークル
リフォーマーでレッグサークルをするピラティス講師

ピラティスで骨盤底筋を鍛える際の注意点とコツ

過度な力みや呼吸を止めてしまうこと、腹圧のかけすぎは逆効果。正しい感覚を育て、日常動作へ取り入れましょう。

骨盤底筋の感覚を掴むための意識づけ

・「持ち上げる/すくい上げる」イメージでやさしく引き上げる。
・吐く息に合わせて段階的(10→30→50%)に収縮をコントロール。
・会陰部~下腹の連動を感じ、肩・顔・喉には力を入れない。
・便意を我慢するようないきみ(押し下げ)は避ける。

日常生活での活かし方

・立ち上がり/持ち上げ/くしゃみ等の負荷局面で吐く息+軽い引き上げを同期。
・長時間座位は1時間に1回は立って胸郭を広げ、浅い呼吸をリセット。
・「念のための排尿」を習慣化しすぎない、便秘対策でいきみを減らす。
・ヒール高・過度の前傾姿勢は骨盤底への負担増。靴・姿勢も見直しを。

まとめ|ピラティスで骨盤底筋を整えて健康的な毎日へ

光が差し込む緑の風景
骨盤底筋は、体幹の安定・排泄コントロール・姿勢保持を支える基盤。ピラティスでは、呼吸・姿勢・コアの協調で骨盤底筋を機能的に鍛えられます。

正しいフォームと呼吸を身につけ、効果的に骨盤底筋を鍛えるには、信頼できるピラティススクールで学ぶことがおすすめです。 安全性と再現性の高いプログラムで、目的や体力に合わせて段階的に取り組みましょう。

この記事を書いたのは…

  • 奥畑 奈美

    Writer

    奥畑 奈美

    ピラティスコンプリヘンシブ資格/はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師師国家資格保有。
    株式会社ZENPLACE、年間300本の講座を運営するアカデミー事業部にて、ピラティスやヨガ、ボディワークに関するセミナーの企画、運営に携わり多くの講師・インストラクターと交流。 ピラティスとwell-beingの普及に尽力、専門誌にも寄稿。幅広い知識で多方面から最新の健康情報を発信し続けています。

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